キャラクターの卒業とともにコンテンツも卒業してしまったかもしれない
コンテンツの卒業についてのまとめです。
概要
少女☆歌劇レヴュースタァライトという2.5次元舞台があります。かつては大変はまっていたのですが、作中におけるキャラクターの卒業に伴ってコンテンツからの卒業しつつあります。劇場版の「次の舞台へ」という台詞がスタァライトに求めていたものだと確認できる状況にもなりました。
はじめに
このまとめをご覧の皆様は少女☆歌劇レヴュースタァライトというコンテンツをご存知でしょうか。ブシロードとポニーキャニオンが組んでいるコンテンツであり、アニメや舞台、ライブなどを展開しています。
物語としては下記の2人が所属する聖翔音楽学校を中心に描かれているのですが、そのメインキャラクターは劇場版や舞台の#4で卒業となりました。学校を卒業して女優へとなっていくんだという方向性で「舞台少女は次の舞台へ」というフレーズで締められていました。私にとってもそこで終わってしまったということに後になって気づきました。
今回はスタァライトをどういうものだと見ていたか、それに対してどう映ったか、その後のスタァライトとの関わり方について述べていこうと思います。
卒業を行った少女☆歌劇レヴュースタァライト
大上段に構えた章題になってしまいましたが、レヴュースタァライトとは何だったかを考えていきます。ここでは主に愛城華恋を初めとした聖翔での物語を対象とします。
まずアニメから見ていきましょう。地上波アニメは舞台少女になる物語だったと理解しています。そこから劇場版は一気に舞台少女からの卒業になりました。ロンド・ロンド・ロンドは卒業前の内省と捉えています。監督はスタァライトをコンテンツではなく作品にしてしまったという話をされていましたが、私はそれを完結させてしまったという意味で見ています。完成してこそ作品だからです。
舞台の方は#1から#4順次卒業までを描いていった印象があります。それぞれの舞台を通して各キャラクターを成長させ、その流れで卒業までやったと言えるでしょう。作中でのライバル扱いの青嵐やシークフェルトも並行して卒業までを描いており、卒業に至るまでの成長を描けたという印象は一層強められていると思います。
いずれのメディアミックス展開でも先輩後輩関係があり、将来の話も出てくるので、卒業という未来は追っていれば見えていました。特にかつて舞台少女であったであろう教職員は舞台少女のその後のモデルケースとして示される面がありました。大場なな自体やロンド・ロンド・ロンドはそれに対立するものですが、それを超えていくという話だったからこそ、舞台少女のままではいられないことを強調したと言えるでしょう。
キャラクターの卒業が私に与えたもの
学生とは基本的に年限が決められたものであり、その年限に向けて育成されるものです。その意味では学校は工場のような側面があります。だから「アタシ再生産」はあの工業的な描写なのでしょう。再生産に自らの意思があるにせよ、学校という場や学生という身分を使って自らを作り変えていくのです。だとすると、卒業とは舞台少女から次の姿へ変わるための最後の工程となります。
そこで私がスタァライトに見出していた魅力はその再生産による成長でした。レヴューを経て成長していく、先に進んでいく舞台少女に魅力を感じていたのです。舞台をやる度に微妙にリセットされた部分もあった気もしますが、それでも明確に成長していきました。むしろ少し戻ったりしつつも成長するほうが自然に感じるくらいでしょう。私はその成長や変化が好きだったのです。
しかし、卒業してしまうとどうなるでしょうか。もう舞台少女の成長を描くことは出来ません。卒業後の姿も描くことは原理的にはできるでしょうが、それはもう舞台少女としての展開になりません。
スタァライトの卒業後の展開
そうしてどうなったかと言うと、スタァライトでは2つの選択肢が示されました。1つはThe MUSICALという舞台少女を通して別の舞台をやる展開、もう1つはシークフェルト音楽学院中等部の展開です。ここではそれぞれについて見ていきます。
なお、正確に言うと先に述べた通り他校の同級生の卒業や朗読劇などの展開もありましたが、卒業後の展開とは言い難いので今回のスコープ外とします。
The MUSICAL
The MUSICALとは作中のキャラクターが役者として別の役を演じるという形態です。要するに劇中劇をミュージカルとして切り出したものです。5月からThe MUSICAL 遥かなるエルドラドが上演されますが、劇場版で華恋達がエルドラドを演じていたように、佐藤日向さんが星見純那としてサルバトーレを演じるという形態でミュージカルが展開される予定です。
私は前回の別れの戦記を見たのですが、それぞれの役者さんがそのまま演じるなら別の演技プランになったであろうと感じる場面は少なからずありました。やや複雑な状況ではあるのですが、それぞれの役者さんの他の場の姿を見ていれば、役を通して更に別の役を演じていることは比較的わかりやすかったと思います。他ではあまり見ないような手法であり、実際面白いものです。
しかし、スタァライトに求めていた舞台少女の成長という観点はありません。物語ですから劇中劇のキャラクターが成長や変化はありますが、それは舞台少女としてのそれとは異なるものと考えています。
シークフェルト音楽学院中等部
シークフェルト音楽学院中等部はライバル校であるシークフェルト音楽学院の中等部生の物語です。現実時間での企画の開始時期としては#4より前ですが、他校のように華恋達と並んで卒業あるいは進級といった構成の物語ではありません。実質的にスタァライトの若返りを図った企画と思われます。
華恋達は高等部ですから、中等部はこれから舞台少女になっていくあるいは舞台少女として変わっていく者達の物語と言えるでしょう。故に中等部は完全にキャラクターが成長していく物語です。スタァライトですから劇中劇はありますが、それを通してそれぞれが変わっていきます。構造としては華恋達と相似的なものになっています。
したがって、こちらは私が求めていたキャラクターの成長がある舞台です。そしてその成長を通した舞台少女としてのあり様をReriseという完結編までしっかり見せてくれました。#4を迎えた後はすっかり中等部に夢中な私がいました。
コンテンツからの卒業
先ほどから述べている通り、私はスタァライトにキャラクターの成長を求めていました。故にThe MUSICALの間接的な表現はそれとは適合するものではなく、中等部の次へ次へとキャラクターが変わっていく姿は大変楽しかったです。しかし中等部も卒業というか、一旦の完結を迎えてしまいました。
現状としてスタァライトの展開としてはもうキャラクター、舞台少女が成長していく物語はありません。特に高等部は次へ次へと成長していく姿が魅力的であり、その姿を見せた結果としてもう舞台少女からは卒業してしまいました。The MUSICALは舞台少女だった時の姿、あるいは1つの可能性として示されているものです。舞台少女から次のステージに進んだものを表しているものとは言い難いと思います。
もちろん、中等部に期待することも出来はするのですが直近では特に情報はありません。最後のライブからもう半年が経過しました。
結果として、私の求めていた「舞台少女」は卒業してしまったという状況になっています。そして、「舞台少女は次の舞台へ」と進んでいきます。私も気づけば同じように、スタァライトから卒業しつつあり、しかしそれでいてまたまた別の舞台へ足を向けています。私はもう次の客席にいるのです。
おわりに
かつて好きで、今でも好きではあるものから離れている。スタァライトは私にとってそうした場所にあるもので、もう数年距離を取りかねていました。しかし、こうして文章にすることでやっと一区切りできた気がします。
舞台は変わらず好きなのでまた交差する時もあるでしょう。